前回までのお話
先週の八丈サイエンスクラブから「野鳥を特定の場所によべるのか?」をテーマに実験を開始しました。講師の私も初めての本格的な野外実験なので、参加されているお子さんと立場は同じです。
結果はどうなるか分かりません
2023年10月21日(土)と2023年11月4日(土)の八丈サイエンスクラブの黒板を見ていただければ分かりますが、参加されているお子さんには思いついたものをたくさん書いていただきました。
これはブレーンストーミングといわれている方法です。たくさん書かせますと、いいアイディアの元が出てきます。もちろん、これだけでは研究は進みません。
ただのきっかけです
成功するかしないかは不明ですが、前回はトレイルカメラを仕掛けて終わりました。
トレイルカメラとは、赤外線センサーで動物を検出・撮影する防水のカメラです。暗いときは赤外線光を発して白黒写真も撮れます。
お子さんが小学校へ通っている間、桶の水浴び場をトレイルカメラで監視していました。ときどき、私がカメラの電池を入れ替えました。
トレイルカメラの撮影結果を確認しました
さて、先週から1週間経ちました。私たちはデータを回収しました。
何も写っていないですね〜
そうだね・・・
トレイルカメラで撮影された写真を2人で1枚ずつ確認します。そもそも、思うように研究が進んだら、それは本当の研究ではありません。
これこそ研究だよ
そうなのかなぁ・・・?
とペラペラと写真を進めていきますと、鳥が写っていました。
これ、なんだろうね?
これ、ハトだよね!
じゃ、自分で調べてみて
今回、私は高野伸二著の日本野鳥の会出版「フィールドガイド日本の野鳥」を持ってきました。
お子さんはペラペラと図鑑のページをめくりました。
これだよね
お子さんが指を指したのはキジバト。
正解
なんと、人工の水浴び場を作って1週間でキジバトが来るようになっていました。
お子さんのノートの記録の成長
「野鳥が、自分が期待した通りの水浴び場に来た」で喜んでいたら、研究に発展性がありません。そこで、今後の課題を見えやすくするために、写真一枚一枚にメモをとってもらいました。
お子さんは、初めは文章で書いていました。
面倒だなぁ・・・
では、・・・
と私が少しヒントを与えました。すると、彼の記載の仕方が、だんだんと「野鳥の名前」、「羽数」、「仕草」、「日時」と系統立てて記録の付け方が変化していきました。
「自分で考えて、自分の未来に向かって、自分で変化する」
これが科学です。もう少し欲を言わせてもらいますと、
来年から中学校ですので、出来るだけ漢字を使ってくださいね
写真確認をさらに続けますと、また新しい野鳥が水浴びしているシーンが写っていました。
「野鳥を特定の場所によべるのか?」のテーマからしますと、今日の一歩は成功でした。ただ、ここで満足するのではなく、2人でさらに研究を細分化し、深めたいと思います。
メモばかりでつまらないよ〜
だから、いつも言っているでしょ?
研究はつまらないものだって
笑
私たちの新しい研究は始まったばかりです。
次回の八丈サイエンスクラブは、2023年11月18日(土)13:30-15:30です。
八丈サイエンスクラブは、八丈島の自然から不思議を抽出し、探究・研究をします。興味のある方は、ぜひ、ご参加ください。見学も大歓迎です。