集中力が欠けることに対する改善
前回の八丈サイエンスクラブでは、参加されたお子さんの集中力が切れて、事故に引き寄せられるような行動が見られました。このようなことが続けば、研究は出来ません。
何が原因なのだろう・・・?
危険な行動をするのは子どもですが、私は危険性を気づいていますので、指導者である私の方に問題があるのだと考えました。
振り返ってみますと、私はお子さんに現在の進捗を説明していないことに気がつきました。
私は、常に
今この瞬間のベストを尽くす
という考え方で生きていますが、これは誰でも同じではありません。多くの人は自分とは違います。理解を深めるためには、説明が必要です。
そこで、初めに、研究に費やす時間、研究の進捗、研究の苦しさの関係をグラフにして、お子さんに説明しました。
多くの場合、研究に費やす時間と研究の進捗の関係は、1次関数のように一定の傾きです。ところが、心理的なプレッシャーは、進捗の80%から急激に増します。
私は、お子さんの研究(実験)が全ステップの80%まで来ていると考えています。ですので、私たちは、これから、研究における地獄の時間に入ります。
1つ研究を100%までやり遂げるのはとても大変です。ちなみに、私が大学院生だったころは出来ませんでした。
当時の私は、
8割の研究を繰り返せば、いつかはゴールに辿り着く
と考えていました。でも、
80% x 80% = 64%
80% x 80% x 80% = 51.2%
80% x 80% x 80% x 80% = 40.96%
と80%の研究を何度繰り返しても絶対に100%に近づきません。中途半端な行動は、逆に、自身の研究に対してマイナスに働きます。
正しい行動は、
ベストを尽くし、その上で改善
です。
この行動をすることによって、初めて研究は前に進みます。
今は、ここです
最近、余計なことをするようになって、研究が進みませんよね
はい
その原因は、君が研究の進捗が80%まできたからです
ここからは、心理的なハードルが一気に上がります
大変になりますし、時間もかかります
はい、分かりました
お子さんは、これから身をもって研究の大変さを体験することになります。
基本に立ち返る
彼と私が初めて会ったとき、お互い喋っていたものの、緊張感がありました。あれから3ヶ月、私たちは良い関係を築いてきましたが、お互い、研究に対してはスキを作ってしまっていました。ですので、手順をもう一回、チェックしながら作業を進めました。
私も今回はお子さんを甘やかすことはしませんでした。いい加減に作った障壁の材料は捨てました。
え゛〜
理由は、彼に悪い癖がついてしまうからです。
今日は、ラスト3つの障壁のうち、1つを完成させました。
今が、指導者である私と研究をするお子さんの大事な時期です。それぞれの立場で、学ぶ時期が来ました。
研究が進捗の80%まで来ました。停滞の時期に入りました。
でも、大きな成果のためには、歩幅が狭くなっても継続して進み、私とお子さんとお互いが成長しなければなりません。
しばらく、この期間が続きそうですね
次回の八丈サイエンスクラブは、2022年12月10日(土)13:30-15:30大賀郷小学校理科室で行われます。
八丈サイエンスクラブは、八丈島の自然から不思議を抽出し、探究・研究をします。興味のある方は、ぜひ、ご参加ください。見学も大歓迎です。