先週までで、「図」、「図の説明」、「材料と方法」、「結果」、「考察」を書き上げました。2人で読み直して、細かなところを修正したり、物足りないところを書き加えました。
最後の「緒言」の執筆に入りました。
大きな項目から書き始め、だんだんと内容を狭め、最後にピンポイントで研究の目的を提示するのが、緒言の書き方です。
- 私たちはどこに住んでいるのか?
- 今回、風の研究をしているが、そのきっかけは?
- ・・・
私たちは話し合いました。
八丈サイエンスクラブに参加されているお子さんから出た言葉は、すべて書き出しました。それらを材料として、彼が文を何度も書き換えて1文を書き上げます。
今まで通り、1文1文をできる限り、必要な情報を入れてシンプルに書きます。
最高の1文を書きます。その最高の1文の集合が段落です。そして、最高の段落集合が「緒言」となります。
う〜ん
どんな文を書いたらいいか、先生、教えてよ・・・
それやったら、この論文は君の論文ではなく、私の論文になってしまうよ
だから、ダメです
今日もこのやりとりを何度もやりました。
拷問だよ・・・
どこから「拷問」という言葉を彼が覚えたのか分かりません。私は彼に言いました。
でしょ?
だから「研究はつまらないもの」だって
苦笑
ついに、論文に必要な、「緒言」、「材料と方法」、「結果」、「考察」、「謝辞」、「参考文献」、「図」、「図の説明」のすべてが揃いました。
最後は、研究のタイトルです。
頭のいい人は、頭の中で文章まで完成させて、一発で文を書き上げることができます。
でも、私を含め多くの人は、それはできません。
では、どうすればいいのか?
自分が大切だと思う単語を書き出させ、最後にそれらをつなげて文とすれば、誰でも頭のいい人と同じ文章を書けるようになります。
それが、ワープロソフトを使うという意味です
それを彼に実践させます。
今までを振り返ってみて?
これまで、何をやってきた?
彼に、思いついた言葉をすべて書き出させます。
もう、やめたい・・・
と口では言いつつも、彼は頑張って、ついに今回の研究のタイトルを書き上げました。
私と彼が初めて出会ったのは2022年7月2日。今日は2023年9月9日。1年と2ヶ月で草稿ながら、論文が完成しました。
書いた文を忘れているよ(笑)
大丈夫ですよ
君が言った言葉が文としてそのまま残っているだけだから
忘れたかも知れないけれども、ここに書かれてあるすべては君の口から発せられたものだよ
ページの枚数で厚くなった彼の論文が、私たちの手元にあります。
次回は、今日完成した論文の読み直しです。何度も読んで、おかしなところを修正します。
研究は最後が地獄です。でも、この地獄を乗り越えた人だけが、本物の科学を体験できます。
ついに研究のラストまできました
あと一回、頑張りましょう
次回の八丈サイエンスクラブは、2023年9月16日(土)13:30-15:30です。
八丈サイエンスクラブは、八丈島の自然から不思議を抽出し、探究・研究をします。興味のある方は、ぜひ、ご参加ください。見学も大歓迎です。