事故と背中合わせの行動が見られました
ここ最近の八丈サイエンスクラブでは、参加されているお子さんの心のスキがとても目立つようになりました。
椅子の座り方、鉛筆の置き方、仕草など、長年研究室で研究をしてきた私から見て、人がこれほどまで事故を呼び寄せるような状態になっているのは久しぶりに見ました。
現在、八丈サイエンスクラブは参加されているお子さんは一人です。事故を呼び寄せる行動は自分に帰ってきます。
もし、新たに人が加われば、隣の人が事故に会います。しかも不意打ちになります。
今の状態が続くようでしたら、大変危険なので、私も対策を考えなければなりません。
論文を書くのは簡単ではありません
現在の研究は昨年の7月から始まりました。実験期間は2022年7月〜2023年2月の8ヶ月。論文執筆は3月から始まりました。執筆期間は現在まで4ヶ月。
現在は「考察」を書いています。そして、最初の「緒言」を書き上げて論文完成となります。
論文執筆は「図」、「材料と方法」、「結果」が完成しました。残りは「考察」と「緒言」。
論文執筆の工程の約半分で4ヶ月。今のようなペースを続けていたらもう4ヶ月必要。
そうしますと、10月〜11月で論文が完成することになり、9月の締切には当然間に合いません。
なぜ、がこんなに時間がかかるのだろうか・・・?
もちろん、世界初の結果なので時間がかかるのは仕方がありません。必要なことであれば、私もOKを出します。
でも、時間がかかる一番の原因は遊び半分であること。八丈サイエンスクラブでの2時間が進捗0のときもあります。
研究で遊び半分ならば、先ほど書きましたように、事故を呼び寄せます。そして、研究も全く進みません。
私が若いころ大きな間違いをしたことがあります。私は、なんとなくでも続ければゴールに辿り着くと思っていました。
でも考えて下さい。やらなければならないことの0.8としますと、これをどんなにかけ合わせても目指す1には近づきません。逆に繰り返せば繰り返すほど1から離れます。
0.8 x 0.8 = 0.64
0.8 x 0.8 x 0.8 = 0.512
0.8 x 0.8 x 0.8 x 0.8 = 0.4096
・・・
いいかえますと、繰り返せば繰り返すほど、悪い癖が蓄積し、人が成長すべき道から外れます
ですので、今日は、一番最初に、今彼がどのような状態か復習してもらうことにしました。
論文を書くラストで苦しみが一気に上がります。今はプレッシャーが少ない状態。
今の時点でいい加減であれば、論文を書き切ることはできません。
準備80%、本番20%
これは、色々なところで言われている格言のようなものです。ここ最近の遅延は、私にも原因があると考えました。
そこで、今日は、お子さんに研究の心構え、論文執筆の今後に生じる苦しさを説明しました。
最後に「考察」に使用する挿絵について、どのようなものが必要か黒板を使って彼と話し合いました。
彼は、はじめは「絵」を描いていました。
私からの指示は
もっとシンプルに
このやり取りを何度も繰り返し、最終的に模式図がベストであるとお互い結論づけました。
ここまでで、40分。
でも、今日は準備に時間をかけて成功でした。絵は模式図になりましたので、言いたいことの要点のみを取り込んだ図となりました。
年上の人間は若者の成長の芽を摘んではいけない
八丈サイエンスクラブに参加されているお子さんは、頭のいい子です。初めて会ったときから、同学年時代の私よりもはるかに上であることは気づいていました。
でも、最近、彼から
集中力がない
と言い訳がではじめています。
小学校は人生の始まりです。成長はまだまだ続きます。才能があるのにこんなところで成長の限界の線を自分から引いてはいけません。
私は、当然ですが、彼よりも生きています。かなり偏っていますが、小学校、中学校、大学、大学院、国内外の研究室の中で生きてきました。
色々な友達、先生、研究者と会ってきました。当然、「伸びしろ」のある方々にもたくさん会いました。
私の信念の一つとして、「年上の人間は若者の成長の芽を摘んではいけない」があります。今の私の行動が、若者の未来に影響を与えてしまう危険なときです。
彼の未来のためにも、今後も真剣に接しようと思っています
次回の八丈サイエンスクラブは、2023年7月1日(土)13:30-15:30です。
八丈サイエンスクラブは、八丈島の自然から不思議を抽出し、探究・研究をします。興味のある方は、ぜひ、ご参加ください。見学も大歓迎です。